東京大学弥生講堂アネックス
TOKYO UNIVERSITY ANNEX
ストランドボードは学生が学ぶ施設、住まう施設に快適な空間をお届けします。
東京大学弥生講堂アネックスでは、ストランドボードが演習室やギャラリー、トイレ・通路の壁面に使われています。細かいストランド(木削片)から作られるストランドボードは、目にやさしいテクスチャーと色目を持ち、ヒノキの香りが漂います。施設全体が明るい空間になるだけでなく、圧迫感のない、落ち着くことのできる空間となり、学生の学びの場・住まう場としてうまく活かされています。さらに、調湿性や断熱性、耐久性等の機能面でも非木質内装材やベニア等と比較して優れており、施設の環境をよりよいものとしています。
施工面の特徴としては、ストランドボードの特長でもある、“水平方向への寸法安定性”の強みを活かし、目地なし施工を実現しています。ストランドをランダム(非配向的)に成形することで、無垢の特徴でもある一定方向への伸縮を抑制し、目地がない1枚の大きな壁面体として感じることができます。
演習室
演習室は、2階まで吹き抜けになっており、空間を広く感じることができます。フローリングや家具には直線性のイメージを感じる無垢材が使われており、壁面にはそれらとは対象的なランダム感のあるストランドボードが使われています。壁面をストランドボードにすることで、無垢の家具の良さもより引き立っているのではないでしょうか。学生たちや先生方が共有する使いやすい場づくりに貢献しています。
2階ラウンジ、階段室、通路、洗面所
天井のデザインが特長的なセイホクギャラリー。80名までの講演会等のイベントを開催することができます。2階に上がる階段室や2階ラウンジは、桧ストランドボードの空間となっています。ギャラリーの特徴的な湾曲の天井に対し、落ち着きあるテクスチャーが特長のストランドボードは、同じ空間内でうまく共生しています。また、演習室に向かう通路や洗面所にも使われており、清潔感ある空間づくりに貢献しています。
東京大学 農学生命科学研究科 弥生講堂アネックス概要
建築 | (株)エンゼルハウス |
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面積 | 建築面積 359.21m2 1階床面積 327.51m2 2階床面積 151.97m2 |
仕上げ (屋外) |
屋根:銅板葺き 外壁:杉高温処理材 |
仕上げ (室内) |
エンゼル研究棟 1階講義室 床:コンクリート研ぎ出し鏡面仕上げ 壁・天井:桧正角材 (下地 モイス張り) |
エンゼル研究棟 2階演習室 床:杉LVL 壁:エスウッド桧ストランドボード、プラスターボードEP塗装 天井:プラスターボードEP塗装 |
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セイホクギャラリー 床:コンクリート研ぎ出し鏡面仕上げ 壁・天井:レッドシーダー小幅板張り(一部麻布張り) |
関係者インタビュー
東京大学大学院 農学生命科学研究科 安藤直人教授
弥生講堂アネックスの中の演習室の内装材としてヒノキのエスウッドを使用しました。世の中に多くの内装材がある中で、選定のポイントは壁材としての特性、勿論デザイン的な観点も含めてですが、今後の「環境」を考慮した結果であることは言うまでもありません。
ヒノキやスギは我が国の代表的な樹種ですが、ヒノキの間伐材をチップ化してボードに成形したエスウッドも環境的には大いに期待される材料です。HRSB(ヒノキ・ランダム・ストランド・ボード)とでも言えるのでしょうが、建築内装材として、あるいは家具材としての利用ですので、接着剤の成分としてホルマリンを用いていないことも重要なポイントです。この技術の応用としては、木材に限らず、農業廃棄物(コメであれば籾殻や稲ワラ)、あるいは畳表に用いられるイグサなどもボード化することが可能です。即ち、「環境」の二文字を実践する新しい材料として、エスウッドは登場したと思います。
東京大学弥生講堂アネックスの建設を統括した安藤直人東京大学教授と(協)エスウッド理事長・角田惇。竣工式にてエスウッド桧ストランドボード壁面を背景に。
ヒノキやスギは我が国の代表的な樹種ですが、ヒノキの間伐材をチップ化してボードに成形したエスウッドも環境的には大いに期待される材料です。HRSB(ヒノキ・ランダム・ストランド・ボード)とでも言えるのでしょうが、建築内装材として、あるいは家具材としての利用ですので、接着剤の成分としてホルマリンを用いていないことも重要なポイントです。この技術の応用としては、木材に限らず、農業廃棄物(コメであれば籾殻や稲ワラ)、あるいは畳表に用いられるイグサなどもボード化することが可能です。即ち、「環境」の二文字を実践する新しい材料として、エスウッドは登場したと思います。
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