公立阿伎留医療センター
AKIRU MEDICAL CENTER
ストランドボードは、患者さんが居心地のよく療養できる木質環境をお届けします。
公立阿伎留医療センターでは、ストランドボードが通路の腰壁、受付カウンターやベンチの仕上げ、休憩室・待合スペースの仕上げに使われています。患者さんはもちろんのこと、多くの施設関係者が利用する場として、木の良さを感じられる居心地のよい空間づくりに貢献しています。ストランドボードが持つ木のやわらかい質感や目にやさしいテクスチャー、そしてヒノキのほのかな香りが豊かな療養環境を作り出します。また、きめ細かいストランド(木削片)をランダムに接着することで、木の調湿効果をより発揮できる構造を実現し、自然素材ならではの気持ちの良い室内環境づくりの役割を担っています。
休憩室、待合スペース
待合スペースの椅子に座ると、ちょうどストランドボードのやさしい木質の柄が目に入ってきます。医療施設内は、白基調の清潔感を感じる内装仕上げが多く、ストランドボードはそこにわずかなアクセントをつけ、居心地のよい木質空間にしてくれます。また、休憩室は、縦方向に仕切られたデザインが特徴的で、別空間として狭い空間にするのではなく、通路空間と共有することにより休憩室内の圧迫感を抑制しています。ストランドボード仕上げにすることで、落ち着くことのできる快適な休憩の場づくりに貢献しています。
通路の腰壁
施設内通路の腰壁の多くがストランドボードで内装木質化されています。腰壁の一部には、凹凸等のアクセントづけをし、木をより感じられる工夫がなされています。また、受付カウンターやベンチは、患者さんが直接手に触れる場でもあり、ストランドボードの温かみや表面の滑らな肌触りといった木質感を感じることができます。
関係者インタビュー
株式会社久米設計 建築設計部主管 山本和典氏
私が阿伎留医療センターの内装材料を選択する上で重要視したのは、患者が本当に安心してくつろげる空間をつくる基材となるかということでした。木質の内装材が健康面や環境面で優れていることはよく知られていますが、そのなかでも、桧の間伐材のチップを接合してボードにしたエスウッドは、木が持っている質感とその製法から、「木」という素材が、何のごまかしもなくダイレクトに表現されていて、人の目にとても優しく、又触るとなんともいえず暖かいという点で、これまでのパーティクルボードにはない表情を持った材料でした。
阿伎留医療センターの建設は、設計に4年、施工に3年を費やす大きな仕事でした。病院が抱える社会情勢に応じて設計条件が、何度も見直される中、療養環境を高めてくれるエスウッドなどの良好な建築材料と出会うことが出来たのは、本当に幸いでした。これからの病院づくりにも、心地よい環境を生み出す建築材料を見極め、その使い方に更なる進化を目指して行きたいと考えます。その上で、エスウッドは、創造の意欲を掻き立ててくれる、ユニークな材料であり続けて欲しいと願います。
より良い環境づくりのために、利用する人たちにとってこれまでよりももっと豊かな関係性(機能と環境空間)をつくり出せるような建物の実現に挑戦していきたいですね。
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