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エスウッドでは、ストランドボードが、建物のエンドユーザーに影響を与える感情の計測の調査を、VR技術を用いて開始します。

エスウッドのストランドボードは、これまで、間伐材の有効活用を切り口に、まず、建材としての機能的な性能の要件を満たすための、開発・製造に重点的に取り組んで参りました。

これまで様々な、行政・オフィス・文化施設・商業施設に利用され、機会を頂いた際には、事業主や設計事務所や施工会社の方々ともお話しを伺い、どのような点が喜ばれているか確認させて頂いておりました。

一方で、建物の利用者のエンドユーザーの皆様からの感想を直接伺える機会は少なく、ストランドボードが、どのように見られて、どのように感じられているかについては、分からない状態でした。その結果、導入の検討を頂いている事業主や設計事務所の皆様に、どの製品をお勧めするのが適切が自信を持ってのご提案ができておりませんでした。

今回の、感情の計測の調査は、このような課題を受けての取組みで、建材を主眼にした観点から、空間デザインや空間の使われ方に活用されることを目指したものです。

より豊かな空間体験が、企画・設計・施工者側からも利用者側からも共有され、より良い建築・内装デザインが達成されていくことを願っております。

 

調査対象

ストランドボードの利用箇所が特徴的な、以下の2件の建物を選定しました。

 

ぎふメディアコスモス(岐阜市立図書館)

1件目は、岐阜市にあり同市が運営する、みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市立図書館)です。岐阜県産ヒノキを活用したストランドボードが書架、収納ケース、テーブル、ベンチといった什器に使われており、桧ストランドボードのテクスチャー、色目、触り心地、あたたかみ、香り、といった特性に着眼して使用されています。


 

私立京都外国語大学4号館

2件目は、京都市右京区にある私立京都外国語大学4号館です。ストランドボードが3階より上の各フロアの天井に使われており、温かみのある表情・ランダムな長さに切って配置することによるリズムをつくるといった特性に着眼して使用されています。


 

 

調査機材

調査にはVR用の360°カメラと脳波計の機材を使用しました。

VR用の360°カメラを使用する理由は、現地に行かずとも被験者を確保し易いためです。現地にて調査した方がより実質的なデータを収集することが可能ですが、被験者数の確保・実施が困難なため、360°カメラで撮影したデータによる実験を実施しました。また、画像にすることで、現実には実施することが難しい、建材の張替えによる比較も可能になります。

脳波計は、感情を計測する機材として使用しました。

α波によるリラックス度やβ波による集中度等が計測可能で、特にストランドボードの木質系の説明として挙げられることの多いリラックスについて、定量化の切口とすることができます。これをVRと併せて利用することで、どこを見ている際に、どのような感情が生起されているのかを計測することが可能になります。

左/360°カメラ(RICOH THETA) 右/脳波計(Mindwave)