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「木の住まいの温熱性能」勉強会

09年2月21日の午後、NPO 「WOOD AC」さん主催の勉強会にいってきました。テーマは、温暖化問題との関連で何かと議論の多い「住まいの断熱性・機密性」の評価手法です。まずは、断熱性や気密性をどんな方法で評価・計測するのか勉強しようというわけです。

最初は「熱損失係数(Q値)」計算。平成11年に定められた省エネ基準で、東海地域は、「2.7W/(m2・K)」という値の適用エリアです。定義は「建物内外の温度差が1℃の時に、建物全体から1時間で逃げる熱量を床面積1m2あたりに換算した値」とされています。これを算出するために、建物外皮(外壁、床・土間、屋根・天井、開口部、換気口)からの熱損失をそれぞれの使用材料ごとに算定していくわけです。

大雑把にいうと、場所ごとに イ、各材料の熱伝導率λを知る(材料の厚さが1m、内外温度差が1℃の時の熱が伝わる度合いで、単位はW/mk )→ ロ、λの逆数に材料の厚みを掛けて熱抵抗値Rを算出する(単位はm2・K/w )→ ハ、当該部位のRを合計して再度逆数にして熱貫流率K値を得る(単位はW/m2・K) → ニ、K値に当該部位の面積を掛けてそこからの熱貫流量(W/K)を算出する。
これを場所ごとに繰り返して合計し、延べ床面積で割った値が熱損失係数(Q値)になるという次第。
うーん、これがQ値か・・・。おおかたの建築関係者には、とっくに旧知なんだろうなー。

次ぎのテーマは「送風機による住宅等の気密性能試験方法」。要は、強力な送風機で建物を減圧していき、内外の圧力差と温度差をセンサーで測定して、自動的に建物全体の気密境界にある隙間の合計面積(単位はcm2)を計算する装置です。これを延べ床面積で割ると「相当隙間面積=C値」になり、気密性評価の物差しになるという話でした。まあ、実際に減圧が進むと、窓や壁の隙間からびゅーびゅーと風が吹き込むので、実験棟の気密の低さについてはしっかりと体感できました。

熱損失計算の演習では、杉・桧の壁板のケースで、熱伝導率として「0.12」という値が使われていました。当組合の桧ストランドボードの熱伝導率は確か「0.099」だったと記憶していますので、この点では、「無垢材同等の木質ボード」と申し上げてもお叱りを受けることはないでしょうね(笑)。(角田 記)

*画像はテキストの一部と気密性能試験用の送風ダクトです。