灯台もと暗し:東山植物園と名古屋城
9月25日、各務原商工会議所建設部会の視察研修会に加わり、昨年秋、東山植物園内にオープンした現代風茶室(「宗節庵」)と、今年5月に公開された名古屋城本丸御殿の玄関・表書院を見学してきました。
名古屋に住み始めて50余年になりますが、東山公園も名古屋城も、前回訪問からどれくらいの年月が過ぎたのか思い出せません(笑)。
結論から言えば、まことに灯台もと暗し!素敵な発見で一杯の一日でした(^^;
以下、やや多めの写真レポートです。
午前中に訪問した「宗節庵」は、東山植物園の中ほど、「也有園」という庭園の一角に建っています。
南東側から見るとこんな具合です。
建物内部は、伝統的な座敷と車椅子でも入れる立礼席で構成されています。
玄関側には、この建物を寄贈された茶道師範さんの茶名(「宗節」)にちなんだ茶室の名前が掲げられていました。
南西方向からはこんな様子です。
あえてにじり口を設置しなかった開放的な外観が印象的ですねー。
案内していただいた名古屋市の職員さんの説明によると、この建物の独創性は、接合部に一切金具を用いない伝統構法に、新しい耐震的な工夫を加えた点にある、とのことでした。
茶室の南側には、江戸末期の建造という、木造の長屋門(旧兼松家武家屋敷門)が移設されています。
この門から茶室をながめると・・・
門の向かって左側には、出格子窓が設置されています。
全体として、とても重厚な建造物という感じを受けました。
ちなみに、清水建設さん施工の工事費は茶室だけで1億円強、外構部もあわせて1億5千万円とのことでした。
さて、午後はいよいよ名古屋城本丸御殿の見学です!
これが正面玄関で、屋根は薄板を用いたこけら葺き。
よく見ると、自慢の屋根には既に反りが原因のひびが入っています。尋ねると、耐久年数は15~20年とのこと、日光恐るべしです。
玄関の屋外天井を見上げると、見事な匠の技。
しばらく進むと、天守閣が目に入ります。改めて見ると、見事な造形美ですねー。
木造じゃないのが残念なんていうのは、贅沢というものか・・・。
次に「工事見学コーナー」に入ると、いきなり「木取り」の見本の出迎えで、単純に感激(笑)
さらに進むと、目下進行中の屋根組みの現場へ。
工事見学コーナーを出て、いよいよ本丸御殿内部の見学です。
度肝を抜かれたのは、玄関に飾られた狩野派絵師の筆によるという「虎」の障壁画の模写でした。
何という迫力!(画像は、フラッシュ禁止のため物足りませんが。)
こちらは、隣の部屋の「ジャコウネコ」です。
ウーン、カワイイけど、ちょっと目がこわいなー。
表書院に進むと、上段の間の松を描いた床や、雉を描いた襖が目を楽しませてくれます。
そして、あちらこちらに、見事な飾り金具。
いやあ、実に充実した見学会でした(^^;
遅ればせながら、地元名古屋についての見聞を広めなくては・・・、です(笑)
(角田 記)