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第122回木質構造研究会

2月4日の夕刻、東大弥生講堂アネックスにて第122回木質構造研究会が開かれました。
テーマは「建築基準関係法令改正の要点と技術的課題への対応」ということで、新入会員たる私も、平成19年6月の改正建築基準法施行後の木造建築現場の雰囲気を感じとりたくて参加しました。

平成19年6月のこの改正は、姉歯元建築士による構造計画書偽装という大事件を契機に、その後も次々に露呈してきた少なくない現存建築物の構造的欠陥の存在という問題を解決するために実施されたもので、構造関係基準の厳格化と建築確認検査業務の適正化を内容とするその施行が、実際の建築現場において「官製不況」と称された多大な住宅着工の遅滞を招いたことは記憶に新しいところです。

2人の専門家による研究会報告の中身は、専門外の私には正直なところ理解困難な部分が多かったのですが、この改正以前の確認申請の実状が、小規模木造建築物(いわゆる四号特例対象建築物)も含めた建築物の構造上の安全性を十分に保証できていなかったこと、又改正以後の建築現場
では施工の品質の顕著な改善が認められること(例えば横浜市などにおいて)などの点については理解できたように思います。

目下保留になっている上記「四号特例(建築士の設計による小規模木造建築に対する審査の省略)」の見直し問題については、事の是非はともかくとして、時間をかけての見直し(又は特例の廃止)という方向に進んでいくという雰囲気を感じました。この点については、会場でお会いした山田事務所の山田さん(木材業者及び関連する人達による任意のメールグループ=Lumberpeoples Internet Communication Club=略称LICCでご一緒です)も同じ意見のようでした。

さて、前掲したLICCでご一緒の小林さん(株式会社アルファーウッドテック)がメーリングリストへの書き込みで、目下国交省が推進中の長期優良住宅(いわゆる「200年住宅」)への取り組みに関連して、「建築確認申請レベルを小学生とすると、(200年住宅を建てるには)大学入試のセンター試験に合格するぐらいのレベルが必要なのです。」といっておられます。うーん、そうすると、私もせめて小学生レベルの学力くらいは身につけておかないと話にならない・・・。

改めて勉強不足を痛感した勉強会ではありました。  (角田 記)